こんにちは、ゆいです。
今回は、2015年にサービス開始し、中国社会に大きな影響力を与えている芝麻信用について書いていきたいと思います。
目次
芝麻信用(ジーマクレジット)とは?
芝麻信用とは、中国のアリババグループのアントフィナンシャルが提供する、個人の支払い能力の可視化をするための仕組み。
スマホ決済アプリ「アリペイ」の利用履歴を中心に、提携サービスの利用状況や、アリペイ上の友人も含めて、膨大なデータを集めてAI解析し、ユーザーの「信用スコア」を算出している。
利用者は約5億2000人。
350点〜950点で評価され、点数に応じて、アリババグループや提携企業から、様々な特典が受けられる。
例えば、賃貸の敷金・ホテル・レンタカーサービスなどで優遇が受けられたり、海外旅行の際のビザの取得期間が短くなる等、様々な特典がある。
このスコアは、婚活市場でのマッチングの指標としても使われており、スコアが高いと、婚活でモテる、というメリットもある。
中国の人たちは、自分で出身大学や職業などを登録するなど、自分のスコアを上げることにも熱心。
SNSで自分のスコアを公開したりして、積極的に自分の信用力をPRしている。
芝麻信用の評価基準と活用方法
芝麻信用の評価基準
芝麻信用のスコア算出基準は非公開だが、公開されている評価要素は5つ。
① 個人特性・・社会的なステイタス、身元情報
② 支払い能力・・支払い履行能力
③ 返済履歴・・クレジット履歴
④ 人脈・・交友関係
⑤ 素行・・消費行為の傾向
一般的に、550〜699点に多く分布し、700点以上で良好、750点以上でとても良好、と評価される。
芝麻信用の活用方法
これらのスコアは企業側のリスク低減や人件費削減のために活用されている。
例えば、就職活動での面接や、賃貸物件を貸すかどうかの審査など。
企業は、信頼性の高いデータによって貸し倒れや不払いなどのリスクヘッジをし、
これまで与信審査のためにかかっていた人件費などの膨大なコストを削減できるようになる。
芝麻信用が中国社会に与えた影響
私が、この制度が画期的だと思ったのは2点。
データとIT技術によって人々の行動を変えたこと
中国は基本的に「性悪説」の社会だと感じていた。「だまされる方が悪い」という考え方や、素行の悪さなど。
少し前の中国に行ったことがある人や、中国企業とビジネスをしたことがある人は分かるかも知れない。
でも、芝麻信用を始めとするデータやIT技術によって、「善行を積むと評価してもらえる」仕組みを社会に作ったことで、人々の行動を変えつつある。
これはすごいことだし、面白いデータの活用方法だと思った。
階級社会の格差を「個人の努力」によって乗り越えられるようになったこと
中国では、まともな与信管理システムがなく、自分の支払い能力を示すことが出来ない多くの人が、お金を借りられないという問題があった。
さらに、中国では「都市戸籍」と「農村戸籍」に分かれていて、生まれながらに権利の違いがある。
「農村戸籍」の人が都市に住む場合、社会保障や生活保障制度がなく、
医療保険も年金もまともに受けられない、家を借りるときも借りづらい、という問題点があった。
政府は2020年までにこの格差をなくすことに取り組むと表明している。
芝麻信用が登場したことで、これまでは個人の力では乗り越えることが出来なかった格差問題を、本人の努力によってスコアを上げることで、乗り越えられるようになった。
これはかなり画期的なことだと思う。
日本も、大手企業に勤めていないと住宅ローンが優遇されないなどの問題があるが、
同様に個人の信用力によって評価されるようになれば、このような社会の歪みも是正されるのではないかと期待する。
とはいえ、アリババが信用スコア作成に用いているデータは膨大で、他の競合が真似できないほどだと言われている。
日本でも信用スコアに取り組む企業が出てきたけれど、データ量が圧倒的に違うため、信憑性が比較にならない。
個人の信用力の重要性が増す時代にやるべきこと
日本においても、これから益々個人の信用力の重要性が増す時代になってきている。
既に、世の中のお金は企業から影響力のある個人に流れつつある。
個人の信用力が重要になる時代だからこそ、
私は誰もが自分のメディアを持つべきだと考えている。
ブログなどで自分の知識・経験・思想・実績などを世の中に発信する。
価値ある情報を届けられる人になれば、それがそのまま自分のブランドになるし、信用力アップにつながる。
これから企業に所属せず、フリーランスで活動する人も増えていくであろうことを考えると、
名刺代わりとしても、自分自身のメディアを持っておくことの恩恵は計り知れないと思う。
さらにブログは、書きためていけばそれを収益化することが出来る。
価値ある情報を発信することによって、読み手に価値を提供することが出来れば、
インターネットのレバレッジを活用して、自分が寝ているときも遊んでいるときも、価値提供をし続けてくれる。
私自身もインターネット上に収益を生み出す仕組みを作ることで、働かなくても収益が生まれる体制を構築しているし、
私のまわりにも、ブログを柱としたメディアを持つことで、月収数百万〜数千万円を自動で稼いでいる経営者はたくさんいる。
インターネットの力を使ってデータを活用することで、中国の国民の行動が変わったり、格差問題の解消につながったりしているように、
インターネットの力を使うことで、個人がメディアを所有して世界中に情報発信できるようになった。
そして、自分の事業を持つことで、「労働者」から「資本家」の世界にいとも簡単に階級移動することが出来るようになった。
これからは、インターネットの可能性に気づいて、使いこなした人がどんどん豊かになっていくと思う。
ブログを使えば誰でも「労働者」から「資本家」の世界に移動できる。「資本家マインドセット」のレビュー・感想。
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