こんにちは、ゆいです。
今日は「世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業」という本を読んだので、印象に残ったところと感想を書いていきたいと思います。
インドのチェンナイにある、「心を学ぶための学校」の授業内容のエッセンスをまとめた本。
この学校には、心を「苦悩の状態」から「美しい状態」に戻す方法を学ぶために、世界中の富豪やエリート、成功者と呼ばれる人たちが集まってきます。
根幹にあるのは、あらゆるネガティブな感情というのは、「自分が無意識に持っている理想」への執着から生まれるもので、
その理想を自覚して手放すことで、心を「美しい状態」にすることができる、という考え方。
失敗を恐れたり、落ち込んだり、イライラした気持ちを人にぶつけてしまったり、自分より成功している人を見て羨ましいと思ったり、自信をなくしたり・・。
人と比べても意味がないと分かっているのに、比べるのを止められない。
SNSで友人の楽しそうな投稿を見て、複雑な気持ちになってしまう。
仕事に追われていて、常にあれこれ考えながら過ごしてしまう。
これらはすべて、心が「苦悩の状態」にあることが原因。
そして、以下の4つのステップを踏んでいくことで、「苦悩の状態」を「心の美しい状態」に戻すことができる、というのが本書の大まかな内容です。
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自分が苦悩の状態にあると気づくこと
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深層意識の心の声に耳を傾けること(心の声を最低15個以上拾っていく)
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悩みの本当の正体(=無意識に執着している理想)を特定する
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理想を手放して、美しい心の状態で正しい行動を選択する
「苦悩の状態」を解消するためには、悩みの本質的な原因を理解する必要がある、という考え方や方法論は、頷ける部分が多くて勉強になりました。
私も4つのステップ試してみましたが、「えー私そんなバカな理想にしがみついてたの?笑」と思うような本音が出てきて、「こんな問題にこだわる必要ないな」と思えました。
良書だったので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
本書で印象に残ったところと、個人的な感想を書いていきたいと思います。
美しい心の状態のとき、人は自分にとって正しい選択ができる。
目の前のことに集中しているときは、ネガティブな感情が一切生まれない。
苦悩の状態になると、「自分中心」の意識がどんどん強まり、意識が今になくなる。
相手に意識が向かなくなり、衝動的な行動ばかりしてしまう。
「自分中心」の意識があらゆる人間関係のトラブルの根本原因だと思う。
例えば、夫婦関係の溝が深まっていくプロセスの例。
端的な例として夫婦生活を例にしてみましょう。
一日中働いてクタクタに疲れて帰ってきた夫。
玄関に入った矢先、藪から棒に不機嫌な顔をした妻から「ごみ。捨ててきて。」と頼まれました。
夫はこのときこう感じます。
「会社でさんざん嫌な思いをしながら、それでも家族のためにと一生懸命仕事を終えて、やっと家に帰ってきたというのに、そんな自分に対して”ごみを捨てろ”とは何だ!家にいたんだから、お前(妻)がやればいいじゃないか!」
このように心は乱れ、ネガティブな感情に支配されます。
すると、その後ご飯を食べていても、一人でテレビをぼーっと観ていても、
頭の中では「もっとまともな頼み方があるだろう」「なぜあいつはああなのか」「もっと感謝や労いの言葉が欲しい」「俺の置かれた立場も配慮して欲しい」などと考え、
そこから発展して、過去の妻の言動などをどんどん思い出し、イライラはさらに積もっていきます。
このような苦悩の状態のまま夫婦生活を続けていると、次第に夫婦関係は冷めていきます。
「今さら妻を変えることはできない」と良好な関係を作ることを諦めるようになり、肉体的なつながりはなくなり、お互いの心の距離はどんどん離れていくのです。
そして、「家に帰ってもどうせまた不機嫌な妻の顔を見るんだし、どうせならもう少し仕事でもしようか」と家庭から遠ざかり始めたり、同僚を誘って毎晩飲み歩いたり、ますます夫婦の関係は冷めていきます。
しかし、相手には相手の苦悩がある。
しかしながら重要な点は、夫には夫の苦悩がある一方、見方を変えれば妻には妻の苦悩があり、言い分があるということです。
「帰ってきたら私の顔も見ることなく、ぼーっとテレビを観ている」
「話しかけているのに、スマホをいじりながら空返事ばかり」
「工夫して食事を作っているのにねぎらいの言葉の一つもない」
「育児に参加してくれない」
「美容室に行ったのにまったく気付いてくれない」
・・・といった要因が、妻をぶっきらぼうにさせ、帰ってきた途端に不機嫌な表情で「ごみ」と言わせているのです。
ところが、苦悩の状態にあると「自分中心」の意識がどんどん強まり、相手に意識が向かなくなり、衝動的な行動ばかりしてしまいます。
「自分中心」の意識に気づかず、相手に思いやりを持てなくなると、せっかく生涯のパートナーに選んだ大切な人も大事にできなくなってしまう。
「自分がハッピーな状態を維持する方法を知っておく」「自分で自分の機嫌を取れるようになっておく」ことは、人と良い関係を築く上での必要条件だと思う。
このインドの学校の授業は富裕層向けだけど、私は「金銭的に困らない状態を作っておくこと」も、自分自身の心の安定を保つためにすごく重要だと思う。
会社員時代、生活費を稼ぐために、毎日やりたくもない仕事を一日中続ける生活をしていたとき、精神的にもしんどくて、とにかく余裕がなかった。
普段なら流せることにもイライラしたり、相手にキツイ態度を取って自己嫌悪になったり、個人的にはかなり強い「苦悩の状態」だったと思う。
今は会社を辞めて独立して、会社員時代のような恵まれた福利厚生や、毎月一定のお給料が振り込まれる、という状態はなくなったけれど、
精神的には、当時よりも圧倒的に幸せで健康な状態で毎日を過ごせている。
どんなに自分の無意識の理想に気付いても、「やりたくもない仕事のために毎日我慢をし続けて、人生の時間を失っている」という根本的な問題が解決されなければ、本当の意味での心の安寧は得られない。
そういう意味でも、会社に依存しなくても生きていける状態を作っておくことが、自分にとっても、家族にとっても、幸せな時間を過ごせるための秘訣だと思っている。
ブログやネットビジネスがある現代は、すべての人に会社に依存しない人生を生きることができる素晴らしい時代だと思う。
一度生まれたネガティブな感情は、根本的な問題が解決されない限りは自分の心の隅に押し込められ、ことあるごとに形を変えて表面化する。
プライドや競争意識は苦悩の証
確かに、自分の中に生まれたネガティブな感情は、根本的に解決されない限り、ちょっとしたきっかけで表面化する。
対症療法ではなくて、根本的に解決することが大事。
無駄なプライドほど、自分の成長機会を奪うものはないと思う。素直さが一番。
悩みの本質は、無意識のうちに抱いている「理想像」。
「自分はこういう人であるべき(あらねばならない)」という理想や願望。思い描いている理想と、現実とのギャップが生まれたとき、人は苦悩の状態になる。
自分が本当は何に執着しているのかを見つけない限り、苦悩から抜け出すことはできない。
人は無意識のうちに、「実現不可能な理想」に執着しているんだな、と実感。
理想や目標があること自体は素晴らしいと思うけど、自分への期待値が高すぎたり、発展途上の自分を認められなくなってしまうと本末転倒。
完璧主義にならず、昨日の自分と比較して一つでも成長していれば素晴らしい、くらいに気楽に行動できると楽しく成長できる。
「ネガティブな感情=自分」ではない。
でも、「怒り」「悲しみ」「孤独」などのネガティブな感情は、感じている時間が長ければ長いほど自分に定着し、その感情から生まれる衝動的な行動が習慣化します。
「悲しい」「寂しい」と思っていると、「自分は悲しい人なんだ」「寂しい人なんだ」と感情をそのままセルフイメージにしてしまうことがあるけど、本来感情と自分自身は別物。
でも、ネガティブな感情を持ち続けて、衝動的な行動を繰り返すこと、
例えば、「不満を溜め続けて、ある日突然相手にキツイ態度を取ってしまう」といったことは、確かに根本的に解決しないと、習慣化してしまう。
さきほどの夫婦の例もそうだけど、衝動的な行動を繰り返していると人間関係にも支障が出るし、自分自身のセルフイメージが低下する原因にもなる。
悲しいときは悲しんでもいいけれど、切り替えは一秒でも早い方がいいと思う。
そのためにも、自分の気持ちを言語化して認識することはすごく大事。
「富裕層向けの心の授業」をベースとして本ということもあって、自分の心に向き合うことで、問題を解決し人生を良くしていく、という本でした。
生きていくための労働をしなければいけない一般の人にとっては、「心と向き合うこと」だけですべての問題が解決できるわけではないけれど、すべての人にとって重要なことを教えてくれている本だと思いました。
個人的には、金銭的な理由を解決することが、「苦悩の状態」の根本的な解決につながるケースも多いと思います。
「お金のために我慢をして働く人生」を過ごしている人が、少しでも「人生を心から楽しめている状態」に変わっていったらいいな、と思います。
以上、「世界中の億万長者がたどりつく「心」の授業」のレビューでした。
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